- ハイフィールド税理士法人大崎事務所
「キャッシュレス化」から始める業務改善
先月(2022年1月)から、ゆうちょ銀行が硬貨の取り扱いなどの有料化に踏み切り、各所で衝撃が走りましたね…。
特に、ATMでの硬貨取り扱いを1枚から有料にするというのは、他の銀行でもほとんど行われていない厳しい措置なだけに、困惑される方も多かったようです。
各銀行の経営も厳しさを増しており、
ゆうちょ銀行の措置に追随して、各種手数料の設置・値上げに踏み切るところも今後増えてくるかもしれません。
もう身の回りに当たり前の存在になったコンビニATMも、その手数料を巡って銀行とコンビニで綱引きが行われているようです。
振込手数料もそうですが、振込のために銀行へ出かけていく手間も、塵も積もれば…で意外と無視できないもの。
これを期に、様々な「キャッシュレス」に挑戦してみるのはいかがでしょう?
①ネットバンキングで、振込の手間&手数料を減らす
銀行に行かずに振込や残高確認などを済ませることができる、ネットバンキング。
最近ではスマートフォンでの取引に対応する銀行も一般的になってきました。
ATMでの手数料よりさらに安い手数料を設定している銀行もあり、手間だけでなく金銭的にもお得なケースも増えています。
給与振込なども、事前予約して決められた日に自動で振り込んでくれますので、空いた時間で効率的に業務が進められます。
また、個人向け口座が中心にはなりますが、実店舗を持たないネット専業銀行では、預金残高や利用サービスに応じて、振込手数料やコンビニATMの利用手数料が一定回数無料になったり、ポイントが付与されたりする銀行も多くあります。
余裕があれば、使う銀行そのものを併せて見直してみる、というのも一考ですね。
②クレジットカードの明細を現金出納帳代わりにする
銀行での取引をオンライン化したら、次は現金での取引を見直してみましょう。
もし、日常に発生する経費の支出先で、クレジットカードを使えるところが多いのであれば、支払いを1枚のクレジットカードにまとめることで、カード明細に現金出納帳としての役割を持たせることができます。
現金出納帳を作成する手間が省けますし、個人的な支出と会社の経費の区別をはっきりさせることは、経理作業の効率を上げていく上では、基本中の基本!
後払いになることで、資金繰りにも好影響になりますし、カードによってはポイントの付与もありますから、積極的に活用していきたいところです。
③キャッシュレス決済で、現金管理の手間を減らす
掛取引ではない、現金での物品の販売等がある企業・店舗であれば、
さらに踏み込んで、キャッシュレス決済の導入というのも選択肢のひとつとなってきます。
特にQRコード決済などは、機器設置などの初期費用がほぼかからないため、
導入にあたってのハードルの高さは幾分軽減されたように思います。
また、最近はキャッシュレス決済が当たり前になったことで、もはや財布を持ち歩かず、「キャッシュレスが使える店を選んで買い物する」という声も、若者を中心にちらほらと聞こえてきます。
ただし、各キャッシュレス決済には、1決済ごとに発生する決済手数料があり、
安いものでも約2%、一般的なクレジットカード等であれば3%以上の手数料をとられることが一般的です。
また入金のサイクルも各社まちまちで、半月~1か月ほどのタイムラグがあるところも見受けられます。
そもそも現金を取り扱わないことによって、現金管理のリスクや手間が減少するなどの効果はありますが、
決済手段が増えることによる、現場での心理的な負担感増も見逃せませんし、
費用対効果を見極めて、慎重な検討が必要かもしれません。